福馬果樹園の軌跡

福馬果樹園の軌跡

よくこんな風な人生が…と思う時があります。
23年前にメロンとみかんを栽培していましたが、どうしてもメロンを止めたいと思い、北九州青果市場研修を受けました。
昼は流通や日本の食糧問題などの講義、夜は全国からのトラック便の荷降ろし実習を経験しました。毎日の研修の中、現在の柿の栽培を決心し、山を購入、開拓を始めました。
山の開拓は本当に辛いものでした。ブルドーザーで平たくしても採石場の有るような山、大きな石だらけ、スコップで石の周りを掘りワイヤーを掛けトラクターで引き出し土手を築いていきました。周りからは「あいつはバカじゃないか!柿なんぞで飯が食えるはずがない」と言われたこともありました。
「もう農業なんてやめよう…」家内といつもそんな話ばかり3年も続きました。
しかしそれがバネになり、必ず柿栽培を成功させようと誓い、ハウス栽培を始める契機になりました。

シンデレラ太秋との出会い

水田のハウスには刀根早生の樹上脱渋をしたところが、果実がやわらかくなり失敗の連続でした。ハウスの返済もありましたが、早生次郎に接ぎ変えた時期にとある品種と出会いました。
見た目が悪いから販売には向かない、と説明されましたが「是非現地試験させてください」と福馬則幸はお願いをしました。これが現在の【シンデレラ太秋】です。
その後、果実連の協力も仰いで県下300名まで生産者を増やし、熊本ブランドとして、小さくとも日本一の太秋柿産地を目指しました。
そして【シンデレラ太秋】は福馬果樹園のブランド商標となりました。

シンデレラ太秋の
生産拡大と販売拡大

平成9年からハウス太秋を【シンデレラ太秋】として販売を初めましたが、毎年のハウス全園の土壌改良、事務所を兼ねた選果場の建設等、借金をしては返すを繰り返しました。
色々なお客様に応えるため、商品を高級果実から加工仕向けを細分化し、それに合わせて販売方法やお客様の値ごろ感を考えて価格の設定を考えました。しかし高級果実【シンデレラ太秋】としての価格が、みんなが納得する様な安全・安心・品質・味・包装を含めた商品でなければいけません。
日本で初めて販売にこぎつけた時、デパートに「一個3000円で売ってもらえませんか?」とお願いをしましたが「冗談じゃありません、こんな見苦しい柿が3000円なんて…。でもお付き合いもありますし1000円で売ってみます」とお返事をいただきました。なんの事はなく、その日の内に柿好きのお客様が感動し買い占めていただき、「すぐ次の商品を持ってきてください」と連絡が入りました。そして一週間後には3000円までになりました。
それからインターネットや報道関係に、一個3000円のシンデレラ太秋、とテレビや雑誌、ラジオに紹介していただくようになりました。今現在では県内外のデパートやインターネットShop・カタログなど色々な方法で販売を行っています。
しかし最大のお客様は総売上の80%以上を占める全国隅々に渡るエンドユーザーであり、お客様の意見が福馬果樹園の方向を決めてきました。そうこうしている間に「おもいっきりいいテレビ」「笑っていいとも」「世界バリバリ★バリュー」「ペケポン」を含め、各テレビ局の特集等の全国版や全国各地の地方版、雑誌や新聞にも沢山出させていただき、本当に感謝しております。

初心忘れるべからず

信念を築くには長い道のりを要し、失うのは一瞬の油断、誰もが知っています。どんなに頑張っても天災には勝てない時もあります。後継者も就農して十数年、たくましくなった後継者に一子相伝。
一人で何事も出来るはずもなく、共に戦った家内の内助の功あっての事業、感謝と愛情は結婚以来途絶えたことはありません。
いかなる時も、初心を忘れず「相対するすべての人の笑顔のために」頑張っていきたいと考えております。

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